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2014 私のお気に入り or Best 3 By ikeda

■ 新録CD

新録CDタイトル 1
Taming The Dragon/Mehliana (Brad Mehldau & Mark Guiliana)
ブラッド・メルドーという人は、同時代のオルタナティヴ・ロックも吸収しているせいか、耳の古いピアノ・ジャズ・オタクから批判されることもある。しかし、そもそもジャズは同時代の先鋭的な音楽を吸収しながら発展を続けた音楽であり、ブラッドの表現は「21世紀におけるジャズのあるべき姿」とも言えよう。本作はアヴィシャイ・コーエンとの共演でも知られる名ドラマー、マーク・ジュリアナとのデュオで、ブラッドはいつになくローズ・ピアノやシンセサイザーを多用したエレクトリックなスタイルを披露し、ロック的ともアンビエント的とも言えるサウンドスケープを繰り広げている。


新録CDタイトル 2
Waiting For The One/Sugarpie And The Candyman
イタリアの若手ジャズ・バンド、シュガーパイ&ザ・キャンディマンは、古き良きマヌーシュ・スウィングを思わせるオリジナル曲もさることながら、ロック/ポップスの名曲の支離滅裂(←褒め言葉)なカヴァーでも有名だ。今回のサード・アルバムでも、クイーンの「Bohemian Rhapsody」がアーリー・ジャズ風にアレンジされ、更に「ラプソディー」繋がりってことでガーシュウィンの「Rhapsody In Blue」も挿入する等、遊び心満載のカヴァーがたっぷり収録された。原曲を知っている人には爆笑モノで、原曲を知らない人にもキュート&ユーモラスな女性ヴォーカル入りジャズとして楽しめる。


新録CDタイトル 3
壱ノ巻/道場(八木美知依&本田珠也)
エレクトリック箏を使用した斬新な表現で知られる八木美知依(ジョン・ゾーンやエリオット・シャープ等とも共演してきた)と、根はパンクな名ジャズ・ドラマー、本田珠也のユニットの第1作。両名は既に、ライヴでは何度も共演を重ねてきたが、アルバムのレコーディングはこれが初めてだ。和楽器を用いつつ、和のテイストだけに頼り切らない無国籍インプロが味わえる1枚で、箏の既成概念を超えた多彩な表現(いかにも箏らしい王道の演奏からノイズ・ギター的なサウンドまで何でもあり)と、竹を割ったように爽快なバカテク・ドラムのガチンコ勝負をご賞味あれ。

 

 

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