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菊地雅章 the slash trio/slash4
奇才、吉田達也をドラムに据えたスラッシュ・トリオも今作で4作を数える。ピアノ・トリオには珍しいハードなそのサウンドは初期こそ新鮮、斬新に響いたものの最近は少々食傷気味だった。
このアルバムとてそれ程期待して聞いたわけではない。
菊地の新譜を無視するわけにはいかない、そんな義務感から聞いた。
だが、最後に菊地のソロで奏でられる「庭の千草」を聞いてぶっ飛んだ。
胸がかきむしられた。
思わず熱いものがこみ上げてきた。矢張り菊地は現代最高のピアニストだと改めて納得した。
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Brandon ross /costume
40も後半の歳にして待望のファースト・リーダー作完成。ヘンリー・スレッジルやオリバー・レイクのバンドでの永年の活動。最近ではカサンドラ・ウイルソンのサポートで少しは知られるようになったギタリスト。静寂と混沌。東洋と西洋。聞くほどに味わいが増す。
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Eric Kloss /first class!
プレステッジに残されたクロスの10作品の内これで8作品が発売された。残るは2作品=1cdである。
60年代はブルーノートではなくプレステッジである。そしてプレステッジは、マイルスやコルトレーンではなくクロスやパット・マルティーノ、ジャッキー・バイヤードである。黒人と白人が分け隔てなく面白かった。人種を超越していた、ジャズだけが。
そのことを声高に言わないジャズ雑誌やレコード・メーカーはアホだし欺瞞に満ちている。
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中村八大 /hachidai nakamura
1958年の録音。
まだ、「夢で会いましょう」は放映されていなかっただろうし、「スキヤキ〜上を向いて歩こう」も作曲していなかった。
ビッグ4のピアニストの時代かな?ジャズの世界からはるかに逸脱していてラウンジ・ミュージックの世界。
しかし、現在のジャズと名のるムード・ピアノ・ミュージックより圧倒的に気持ちいいしカッコイイ。早く買わないとすぐに廃盤だよ。
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ヴァーヴの60周年とやらで数多くの作品が紙ジャケで発売されたが、多くは毎度お馴染みの作品ばかり。世界初CD化のこの作品が唯一の収穫。ベテラン二人の熱演を支えるケニー・バレルのギターが素晴らしい。彼が参加すると、作品に黒い品格が加味される。
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Kenny burrell /asphalt canyon suite
Kenny burrell /night song
昨年のジャズ界のニュースに55レコードの旗揚げがある。ユニバーサルのジャズ・プロデューサーとして10余年、手腕を振るった五野氏が立ち上げた独立レーベルだ。既にジェシ・ヴァン・ルーラーの新作等秀作を発売しているが、永年の人脈を生かしてヴァーヴの発売権を手に入れた。氏があえてユニバーサル在職時に発売しなかったのは、独立した時に自らが発売するためだったのかと勘ぐりたくなる2枚。
決して歴史に残る作品ではない。肩のこらないリラックスの塊である。バレル・フリークの私だから楽しめる作品かも知れない。バレルの作品にジャズのカッコよさを感じる。大都会の喧騒、熱気、バトル・・・やがて訪れる片時の憩い。ジャズの大きな魅力の一つだ。彼の音楽はそれが香しく漲っている。
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新作ではない。まだ彼らがピアノ・トリオだった91年のデビュー作のリー・マスターだ。当時発売されたものと比べるとハードな音質となっている。山下洋輔トリオを彷彿させる強靭なバネと熱気。ジャズは汗だ、格闘技だ、涙だ。そしてクール。こんなジャズを聞くからバレルの温もりも好きになるのだ。
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カエターノ・ヴェローゾ/ 異国の香り
昨年は、遅ればせながらカエターノ発見の年だった。スペイン映画「トーク・トゥ・ハー」をDVDで初めて観たのがはじまりだ。劇中にライヴ・ハウスでカエターノがラテンの名曲「ククルクク・パロマ」を歌う場面がある。この世のものとは思えない美しくて哀しくて粋な歌声に私はすっかり心を奪われた。そして、それを追憶するように発売された全編英詩によるアメリカン・スタンダード集。いやはや参りました。本物のオトナの味がします。
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Leonard Cohen /dear heather
当店が開店した年に発売された前作ten new songs から丁度3年、彼にしては早いインターバルでの新作発売。
まだ聞き込み不足なので何ともいえないが快作は間違いない。
彼のアルバムは聞き込むほどに良くなる、まさに一生もの。
昨今の軟弱なジャズヴォーカルとやらを聞く前に聞くべし。
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