ディスクユニオンが企画する日本ジャズの復刻シリーズは、内容はともかく珍しさを追求したシリーズだと思う。そんな中にあって異彩を放つ宮沢2作品の発売意義は大きい。
「いわな」はアナログで発売時に購入していた。事あるごとに聞き、その度に感激した。邦人ジャズの金字塔と呼んでいいだろう。
なぜこの「木曽」を発売当時買わなかったのだろう?「いわな」での宮沢と富樫雅彦と佐藤允彦のコラボレーションのあまりの見事さに比べ、「木曽」での森山威男の暴走ドラミングが佐藤をも豹変させ、あまりにコルトレーン然としたサウンドに愕然としたのか?
そして30余年の歳月を経て再聴する。
空間を埋め尽くす森山の重厚なドラミングを得て、まさにスピリチャルな広くて高くて深い宮沢がいる。これも傑作なり。