2008 私のお気に入り or Best 3 By Murakami


■ 新録CD

新録CDタイトル 1
Rabo de Nube

アーティスト

Charles Lloyd
レーベル
ECM
ロイド3年ぶりとなる新作が他を大きく離して1位である。
これが70歳のオヤジか?と耳を疑いたくなる熱演が収められている。アルバムタイトルでもあるRabo de Nubeはキューバの吟遊詩人シルヴィオ・ロドリゲスの人気曲で、ロイドは2度目のアルバム収録となる。他はロイドのオリジナルが占める。
ロイドのアルバムはどれも、ECMらしからぬストレートな、ジャズらしいポートレイトが使われることが多いが、この作品のあまりにも直球なステージ写真は逆に新鮮である。
ここでの聞き者は当然ロイドであるが、ピアノのジェイソン・モランでもある。この人、我が愛するジャッキー・バイアードの愛弟子でもある。それだけでもカワイイのだが演奏がまたイカシテイル。お洒落なのもいいな。ソフト帽をモニタースピーカーに引っ掛けた構図。オシャレですな。
ペトルチアーニに出会いジャズ復活を果たしたロイドだが、モランとの出会いがもう一花咲かせそうな予感がする。


新録CDタイトル 2
ターキッシュ・マンボ

アーティスト

石田幹雄
レーベル
Five Stars
孤高の人トリスターノの曲を表題にした、石田2枚目のアルバム。いや、このアルバムを手にいれてからヘビーローテーションでよく聴きました。最初はトリスターノの2曲やカール・パーキンスに捧げられた「フォー・カール」がお気に入りだった。でも最近はラストのピアノソロ、「アメイジンググレイス」に心惹かれている。美しさに心が洗われる。


新録CDタイトル 同列3
レニーズ・ペニーズ

アーティスト

平井庸一
レーベル
マシュマロ

昨年は私の中ではちょっとしたトリスターノ・ブームであった。この平井に石田、それに発掘された高柳と3枚もの印象的な作品が並んだのだから。

 

新録CDタイトル 同列3
スガダイローの肖像

アーティスト

スガダイロー
レーベル
PICTUS

男は黙ってCDを発売する、時代は終った。
ダイローのファッションや機動力、組織力がジャズの未来を切り開くような気がする。


 

新録CDタイトル 同列3
RISK FACTOR

アーティスト

太田朱美
レーベル
EWE

人気、実力、共に申し分ない。天性の才能に努力も怠りない。生まれるべくして生まれたファースト・リーダー作。



20〜30代の実力派若手ミュージシャンが大きく飛翔した年であった。今年の飛躍に期待したい。

 

■ 復刻CD

 

復刻CDタイトル 1
Dreams come true

アーティスト

Andrew Hill& Chico Hamilton
レーベル
Joyous Shout
チコ・ハミルトンの個人レーベルと思しきレーベルから、昨年の秋に突然発売された1993年の音源。チコとヒルの接点があったとは意外であったが、ここで聞ける音楽交歓は奇才同士ならではの思わず身を乗り出す内容だ。ヒルのピアノが重く陰のある旋律を提示する。チコはそれに反応するが、お決まりのポリリズム的な反応ではない。一瞬ニヤリとさせる対応なのだ。リズム・パターンの練習か?と疑いたくもなるが、いやいやこれがえらく刺激的なのだ。ただジャケはダサい。
今年の4月には三回忌を迎えるヒルへの献花ともなる大傑作の発掘である。

復刻CDタイトル 2
ライブ・アット・タロー

アーティスト

高柳昌行
レーベル
jinya
1979年、新宿歌舞伎町の片隅にあったライヴハウス「タロー」で録音された貴重な音源の発掘。名作「クール・ジョジョ」(1979年12月3日録音)に半年ほど先行したものだ。前年に組織されたクール・ジャズを標榜するセカンド・コンセプトの録音は数少ないだけに興味をそそられる。

復刻CDタイトル 3
グッド・ネイチャー

アーティスト

松風鉱一
レーベル
AMJ
旧トリオ・レコードに1981年に吹き込んだメジャーからのデビュー盤が遂にCD化された。松風のサックス、初山博のヴァイブ、望月英明のベース、森山威男のドラムというピアノレス編成。試聴記はM’sセレクションに過去に書いたので割愛します。
http://www.notrunks.jp/cdreview/cdreview/cdreview_003.htm のvol.25です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 







 

 



 

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