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2009 私のお気に入り or Best 3 By Ikeda

総評コメント
1950年代のハード・バップから抜け出していない「形としてのジャズ」と、様々な要 素を貪欲に吸収した予測不能・変幻自在な「ボーダーレス・ジャズ」とでは、絶対に後者の方が面白い。
そもそも、ジャズという音楽を革命的に発展させてきた大御所だって、ボーダーレス な感覚の持ち主であったはずだ。エリントン、ジャンゴ、バード、ディズ、マイルス、MJQ、ロリンズ、ゲッツ、ブルーベック、コールマン、コルトレーン、アイラー、マハヴィシュヌ、RTF、ジャコパス、生向委、コンポステラ、渋さ...。みんなカッコいい。
今回選出した3枚は、そもそも「ジャズ」というフィールドにすら入らないアーティストの作品だが、いずれもジャズ好きも唸らせる、ボーダーレスでジャジーな傑作。
■ 新録CD

新録CDタイトル 1
Performing This Week: Live at Ronnie Scott's Jazz Club/ジェフ・ベック(DVD)
完全主義な性格のため、ずっとライヴ映像を出さずにいたベックが、遂に大盤振る舞いに出た!
老いてなお新しいテクニックを開発し、それが単なる大道芸でなく、肉声よりもハート・ウォーミングな音色へ昇華していく様は圧巻。バック・バンドも良い。
テリー・ボジオ在籍時ほどのインパクトはないにしても、主役ベックとの相性という意味では、過去最高のバンドなのでは?


新録CDタイトル 2
格闘弦

アーティスト

ロドリーゴ・イ・ガブリエーラ
アコースティック・ギタリスト2人によるインスト・ユニット...だが、メンバー2人は元メタル・ギタリストだっただけに、突進力は物凄い。アル・ディ・メオラやジョン・マクラフリンから、パンテラやピンク・フロイドまで、幅広い先人達へのオマージュを通して、万華鏡のような世界を演出してくれる。


新録CDタイトル 3
The Bright Mississippi

アーティスト

アラン・トゥーサン
近年ではエルヴィス・コステロと共演する等、ボーダーレスな活動を続けるニューオーリンズR&Bの重鎮。繊細でセンスの良いギターが印象的だと思ったら、マーク・リボーが参加していた。
納得。ジャズの故郷は、ジャズが生まれて100年以上経った2009年にも、魅惑的な音楽を送り出してくれるのだ。

池田洋行

 

 

 

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