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2012 私のお気に入り By Caz

 

■ 新録CD

新録CDタイトル 1
高岡大祐 Daysuke Takaoka
借景 夏 Shakkei summer

昨年の夏に高岡が京都に借りた部屋で自身で録音した23トラックのチューバとマイクロフォンと環境音だけのエフェクターやエレクトロニクスを利用していない即興演奏。
長く音楽を聴いていると必ずあるような記憶の底にあるものを妙に喚起するメロディの断片や、チューバにはもはや聴こえない刺激的な音色による耳の冒険であり、何度聴いても面白い。面白すぎる。



新録CDタイトル 2
Mechanical Malfunction
Thristy Ear/THI57204.

アーティスト

Weasel Walter(ds) Mary Halverson(g) Peter Evans(tp)
数分のポストパンク的な10曲で、力技ではない様々なリズムと音色とメロディが高速に混合され、ポップにしか聴こえない。非常に楽しい。楽しすぎる。


新録CDタイトル 2
Tim Berne/Snakeoil
ECM Records/ECM2234

アーティスト

Tim Berne(as) Oscar Noriega(cl,bass-cl) Matt Mitchell(p)
Ches Smith(ds,perc)
ティムバーンのECM初リーダー作。全6曲ともバーンの作曲(1曲マットミッチェルとの共作)。バーンといえどもECM的に聴こえるが、バーンの曲は空間を広くもつ場面もありながら、常に複雑に構成されている。
その構成の上での、非常に技巧的なアンサンブルが大きな魅力(繊細なドラムが素晴らしい)である一方、バーンのアルトよりもオスカーノリエガのクラリネットの太さにぐっとくる面もある。


番外
非常階段 Featuring Akira Sakata Made In Studio
doubtmusic/dmf-147

アーティスト

JOJO広重(g) T.美川(electronics) Junko(scream)
コサカイフミオ(electronics) 岡野太(ds) 坂田明(as,cl)
produced by JOJO広重
2年4月の新宿ピットインでの実況録音盤「JAZZ非常階段」と同時リリースの吉祥寺GOKサウンドでのスタジオ録音。すべて即興の全4曲。
ライブ盤より坂田のプレイの凄まじさがはっきり一音一音として耳に届く。ノイズ音楽に対峙するのではなく、自らが最大のノイズとなって、音圧のピークにジャズメンとして君臨している。
ユーモラスなおじさんなどではなく、山下洋輔トリオをまったく彷彿とさせる坂田明がいる。山下トリオの全盛を観たことがない若年の音楽ファンのコンプレックスは過去のものとなった。
このバンドを聴けば良い。そして山下トリオに進み、巨大な遺産を現在の耳で共有するのだ。


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