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2012 私のお気に入り or Best 3 By ikeda

■ 新録CD

新録CDタイトル 1
渋彩歌謡大全/渋さ知らズ
今年のセレクションはいずれもカヴァー・アルバムやトリビュート・アルバムだが、そもそもジャズという音楽自体「他人の曲をいかに自分のものにして、イカした解釈をするか」という命題を伴って発展を遂げた音楽である。この渋さ知らズの新作は、北島三郎をレゲエにしたり、ミルトン・ナシメントをアジア風にしたり、驚くような発想による「渋さ流カヴァー集」だ。渚ようこ、遠藤ミチロウ、三上寛など強力なゲストが参加したこともあり、ヴォーカルが前に出た曲も多いが、フリーキーかつ人間味に満ちた即興演奏も相変わらず心地好い。


新録CDタイトル 1
Japanese Songbook/たなかりか
こちらは女性ジャズ・ヴォーカリストによるカヴァー集だが、とにかくユニコーンのカヴァー「おかしな2人」が秀逸。オリジナルはスカ風味のタテノリ系…だったはずなのに、ここでは色香の漂う気だるいジャズ・ナンバーに大変身している。また、選曲も70年代(荒井由実ほか)から21世紀(キリンジほか)まで幅広いが、LITTLE CREATURESの鈴木正人(2012年には芳垣安洋率いるオルケスタ・リブレでも活躍)の丁寧かつ大胆なプロデュースが功を奏して、散漫さとは無縁の仕上がりとなった。ここまで女性ヴォーカルものにハマったのは久々。


新録CDタイトル 1
Spectrum Road/Spectrum Road
トニー・ウィリアムス率いるライフタイムのメンバーだったこともあるジャック・ブルースが、ジョン・メデスキ、ヴァーノン・リード、シンディ・ブラックマンという超絶プレイヤーと共に、ライフタイムの名曲を怒涛の勢いで演奏したトリビュート盤。基本的なアレンジはオリジナルに忠実で、かなり誠実なトリビュートだが、個人的にはヴァーノン・リードとジョン・メデスキが組んだというだけでも「買い」のアルバムだった。往年のライフタイムにおける、ラリー・ヤング&ジョン・マクラフリンの凶悪な絡みと聴き比べるのも楽しい。


 

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