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2015 私のお気に入り or Best 3 By Hirose


CDタイトル 1
Fred Hersch 「SOLO」
昨年、フレッドが60歳の誕生日を迎えるにあたり、自分へのプレゼントとして作ったソロCD。
フレッドは昨年10月号Down Beat誌で、”1月のVanguardのギグのあとスタジオ入り、9フィートのSteinwayに向かい指も温まり良いものができる、と想像した。しかしながらレコードとして発売できる水準には至らず、10日後、車を運転しながら昨年8月のWindhamのコンサートのライブ録音を聞いていたら、こちらの出来が良いことに気が付いた。ごく普通に演奏し、そしてピアノと会場と聴衆が感動的に繋がるものであった。”と言う。
現役ピアニストでソロ作品が多いのは、キースジャレット、フレッド(10枚目)、弟子のブラッドメルドーがあげられるが、フレッドが言う”fund objects"発売を意図しない録音、が音源のCDとしては3枚目。
定番のjobim,Monk,スタンダード、オリジナルに加え、J.Mitchell-Both Side Nowが素晴らしい。昨年11月の東京コットンクラブのソロギグでも演奏され聴衆の多くは涙を流した。フレッド、絶好調!今年はトリオでの来日が予定されている。
(Down Beat Jan.2016 Best Albums of 2015の選出CD、4.5 star)

CDタイトル 2
Tony Bennette & Bill Charlap 「The Silver Lining」
40年前の名作に、トニーベネットとビルエヴァンズのDUOアルバムがある。昨年89歳のトニーベネットは40年ぶりに同じ名前のビルとDUO作品に取り組んだ、ただしピアノはビルチャーラップである。
ジェロームカーンの作品集で、ビルチャーラップとのDUOが3曲、彼の奥さんのリニーロスネスが加わり4handsでの伴奏が4曲、トリオでの伴奏が7曲である。歌手生活70年、初LPから60年、昨年のDown Beat のHall of Fame(名曲の殿堂)入りし、彼のアイドルであったナットコール、エラフィッツジェラルド、ビリーホリデー、フランクシナトラに並んだ。トニー曰く、全ての曲がA面でこんな凄い録音はいまだかつてない、との自信作である。
(Down Beat Jan 2016,Best albums of 2015の選出CD,5star)

CDタイトル3
London, Meader, Pramuk & Ross 「 The Royal Bopsters Project」
マントラのリーダー、ティムハウザーが亡くなり、新しいジャズボーカルグループの出現が待たれているが、出ました!素晴らしいボーカルクァルテットが!これにゲストとしてJon Hendricks(Age94),Shiela Jordan(86),Annie Ross(85),Bob Dorough(91)と、特別ゲストとして昨年惜しくも亡くなったsinger's singer のマークマーフィーが4曲に参加という豪華版。
もともとNew Scool のソプラノ教師、Amy Londonがかつてのヒップスター、マークマーフィーが介護施設に収容され失意と悲観に落ち込んでいることを知り、マークをNYのジャズクラブに案内し、さらに自分の教室に引っ張り出し生徒とともにsit in したことがきっかけである。このAmyに教師仲間のRoss,生徒のPramuk, そして友達のNew York VoicesのMeader が加わりグループが結成された。伴奏のリズム隊もシンシナティのピアニスト、Steve Schemidt、タイコのSteve Williams など派手さはないが堅実なプレイで実力者が揃う。Mark MurphyのOn the Red Clay、超かっこいいーーー!!!
(Down Beat Jan 2016, Best Albums of 2015の選出CD、4.5star)

 

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