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2017 私のお気に入り or Best 3 By Hirose


CDタイトル 1
Fred Hersch Open Book
2017年GrammyAward、Jazz 2部門のノミネート作品。彼自身12回目のノミネートである。ソロ作品として11枚目。2016年10月、TRIOとしての北京、東京Cotton Clubの公演のあと、11月ソウルでのソロ公演、翌年3月でのソウルのソロ公演の録音。昨年9月はFredにとって新たな章を開く区切りの時であった、と思う。9月2日の自伝”Good Things Happen Slowly"の出版、8日新譜CD”Open Book"発売、15,16日Jazz Opera”Leaves of Grass"のJALCでの公演、と凄まじく耳目を浴びる瞬間であった。
  さて本CDである。まずは20分弱の長尺作品”Through the Forest"である。聞いた瞬間、Glenn Gould のSchoenbergを思い浮かべた。無調に突入か。Fred 曰く、”時差ボケで寝すぎてしまい、ピアノに座った瞬間流れにまかせてフレーズを作っていたら今まで行ったことのない世界に行ってしまった。”という。正にOpen Bookである。パートーナーScott Morganに捧げたThe Orb、Jobim のZingaro、彼曰く”ショパンの最後のノクターンの延長線上のイメージ”、トラッドなWhisper Not,モンクのEronelなど彼の音楽世界の広さに驚く。2月の来日公演が期待される。

CDタイトル 2
The Muhal Richard Abrams Orc. Blu Blu Blu
  昨年10月に亡くなったMuhaの1990年NYでの録音。メンバーはAACMの強力ミュージシャンばかり、特に変態ギタリストのDavid Fiuczynskiが素晴らしい。ポストフリー、現代音楽、を飛び越えたムハの世界。
  若手ギタリストMary Halvorsonの師匠はAnthony Braxton、最近評価の高いドラマーのTyshawn Sorey(ピアノ、トロンボーンも巧い)も自身の音楽をAACMのradicalな黒人の創造的音楽の発展、を目指すという。今も現役のWadada Leo Smith,Henry Threadgillなど70-80代のツッパリちゃんじーの音楽に注目。
  表題曲、Blu,Blu.BluのドBlues,サイコー!

CDタイトル3
Dick Hyman Solo,at Sacramento Jazz Festivals,1983-1988
アメリカでは人間国宝的存在のピアニスト。90歳を超えるが先月のJALCでソロ公演、10月はBill CharlopとのDUO公演があった。
  本CDはサクラメントのジャズフェスで関係者がピアノの横に置いたソニーのウォークマンで録音したもの。音質にやや難があるが評論家Leonard Featherが”simply unbelievable playing",本人が”my best”との評価。Down Beat 誌5星。
  クラシックジャズの名演をたまには聞いてみませんか?

 

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