今から20〜27年くらい前、私は高円寺に在った新星堂のディスクインNO.1なる店に勤務していた。新星堂の発祥の地として創業社長が開いた最初の店。由緒正しき一号店だが店は狭かった。大型店舗が次々開店し専門店へと脱皮するしかなかったと思う。3階建てのビルで各フロアが6坪くらい。1階がロック、ブルース、ソウルで2階がジャズ売り場。品揃えがとてもユニークと言うか偏っていて、ジャズを例に挙げると欧州のマイナーレーベルのカタログが番号順に在庫してあった。インカス、FMP、ブラックセイント・・・国内盤が入手出来たECMやエンヤ以外の尖がったレーベルは網羅していた。中村とうよう氏とかジョン・ゾーン氏もお客だった。勿論アナログ時代の話。
本題に入ろう。その店にいた7年くらいだろうか、これでもかと酒を呑んだ。終電に乗れなくて店の床で寝袋に包まって寝た。月に2〜3度は寝たな。呑んでいた店は沖縄料理の抱瓶もたまにあったが、圧倒的に南口駅前の大将本店か南口ガード沿いの大将支店。当時は美味い芋焼酎なんてなくて、ビールの後は安い日本酒のお燗をガンガン呑んでいた。当然二日酔いだ。
調理場の狭い本店は焼き鳥が中心。一串50円くらいの串焼きを5本くらい頼んでコップ酒5合くらい呑んでいたな。〆て1000円強。安い。
支店は調理場が割りと広くて焼きもの以外にも煮物とか色々あつた。その中でも特に美味かったのが「スタミナ豆腐」。揚げだし豆腐の上にニンニクの漬けたヤツ?とネギがたっぷり乗ったもので、週に一度食べないと禁断症状をおこしそうだった。
そして十年ぶりくらいだろうか、行ってきました。大将支店。なんかソフトになった気はしたが美味い。「スタミナ豆腐」、中央線ジャズのファンならこの味は絶対経験してほしい。
★★★★
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