back to main

 

[大阪] 通天閣〜天王寺〜釜ヶ崎 1日目 (訪ねた日 2013.5.20)

念願の大阪居酒屋巡りが実現した。

週休2日制の実施が夢なのだが、休んだ分収入も無いので自分で自分の首を絞めることになる。月に10日程の休みがとれたサラリーマン時代が懐かしくも羨ましい。
毎週とは言わないまでも、月に1度か2度は月曜日を休みにして連休とし、今度のような小さな旅を重ねるつもりだ。もう若くないし、行動力が発揮できるのは後10年ちょっとぐらいだろうし。

5月19日の日曜日、普段より2時間早く店を閉める。11時15分谷保駅前発のJR深夜快速バスに乗って大阪へ行くためだ。
何気なく谷保の駅前ロータリーを歩いていて偶然目に入った大阪行きの時刻表。「谷保から一直線で大阪に行けるんだ!」チョッとした驚きだった。
色々調べてみる。時間は8時間、「青春中央エコドリーム号」ってやつに乗れば費用はネット割や早割を活用すれば4000円を切る!安い!谷保から東京駅まで行くのに690円なのだから驚く。

どうせ日曜の夜だしガラガラだろうと思ったが間違いだった。70%の乗車率。隣の席が空いている所も結構あったが、二人掛けが埋まっている方が多かった。友達と二人で出かけるなら問題ないが、一人旅の知らない人との相席はチト窮屈。それでもなんとかなりそうだったけど、問題はイビキ。後ろの席のオッサンが大きなイビキをかきだしたのだ。「頭カチ割ったろか」と思ったが小心者の私はティシュを小さく丸めて耳の穴に押し込むのみ。あとは持ち込んだ缶チュウハイをガンガン呑んで眠くなるのを待つのでした。
目が覚めたのは2番目の休憩所滋賀県の多賀SA。5時を過ぎていたので3時間は寝たらしい。
そんな訳で条件が揃わないと、誰にでもお勧めできる交通手段ではないな。安いけど。谷保に住んでて、乗車口まで5分の私だから許せるのかも。

大阪の高速バスターミナルに定刻どおりの7時すぎに到着。10分ほど歩いて地下鉄心斎橋筋線に乗り込む。東京ならそろそろラッシュが始まる時刻なのに、カルク座れる。大阪の幹線地下鉄なんですよ、これ。通勤ラッシュって東京にしかない現象なんだ!と実感。

着いたのは動物園前。通天閣のお膝元で朝から呑むのだ。

 

荷物が少し重いのでJR新今宮駅のコインロッカーへ。ドアを閉めてから地図を入れたままなのに気づく。無くても何とかなると思ったが、いやいやアレが無いととまた開ける。300円無駄にした。地図を取り出しロックしようとしたら100円コインのみしか使えず、生憎財布には500円玉のみ。自分がアホに思えて、そのまま持っていくことにした。

そこから3分も歩けばビルの谷間から通天閣が顔を見せる。こんなに近ければ荷物を預ける必要などないな。
さすがに閑散としている24時間営業の串揚げ屋も数店あるが客は誰もいない。浮浪者がゴミを漁っている。
今日の最初の目的地「大衆酒場 酒の穴」を探す。通天閣のすぐそばにあるはず。地図を参考にクルリと15分ほど彷徨って見つけました。おや、閉まっている。時間を確認すると7時50分。情報によると8時オープンとのこと、もう一回りしてきますか。
そして8時5分頃戻ってきたら、開いていました!先客なし、朝の8時から呑む暇人はそんなにいない。
入口の大きなコの字カウンターの角の部分に腰をおろす。丁度おでん鍋の真ん前だ。
喉が渇いたのでウーロンハイを注文。牛すじ2本と厚揚げで腹ごしらえ。牛すじ、あっさり目で旨い!ウーロンハイ〜マグロ刺し〜ハイボール〜関西に来たらハモの湯引き、でしょう〜ハイボール。名物八宝菜(200円)を注文し忘れたのが悔やまれるが、4杯飲んで2060円な〜り。
店を出たのが9時半頃か。私以外に5人ほどの麻の実(朝呑み)おじさんがいました。

さてこれから昼の1時までどうやって時間を潰そうか。もう一軒行こうとも思ったが、1時からの本日のメインデッシュが台無しになりそうなのでやめる。目的地の天王寺まで散歩でもしょう。途中、夜の串揚げ屋の場所も確認しておこう。

開店前の八重勝

新幹線で東京から着いたばかりのTさんと店の前で落ち合う。「明治屋」である。日本三大居酒屋の一角、だそうだ。2011年の4月に、この小奇麗なショッピング・ビルに移転してきた。外観、内装、全てそのままにして。
扉を開けたとたん何とも言えない昔のいい匂い。磨き上げられた木の匂いなのだろうか。ヤった、一番乗り!雰囲気ありますな。店にいるだけで幸せな気分。
3人の女性が働いている。50代と思しき人が女将さんなのだろうか、その人から「御免なさい、撮影はご遠慮ください」って言われた。
確かに、呑みに来てんのか、撮影しに来てんのか、メールしに来てんのか、訳の分かんない人多いね、最近。本来の酒やツマミや店の味が、あれじゃ分かんないな。撮影できないのは、逆にいいチャンスだと思った。
きずし(東京だと、しめ鯖かな、酢が多め)、うな肝、鯖の子、あと数品。ビル大瓶、Tさんは日本酒、私は佐藤の黒をロックで2杯。
1時間ほどいただろうか、ぽつりポツリとおじさんが入ってくる。多くは常連さんだろう。若い女性客も一人で来る。酒2合ときずしか何かたのんで30分チョッとで帰っていく。粋だね!客の質が凄く高い。名店の証だ。
一人2500円くらいだったと思う。写真がないとアヤフヤだ。

夜は新世界の串揚げ屋。それまで少し休憩と今夜の宿へ向かう。

宿の名前は「ビジネスホテル加賀」。住所が大阪市西成区萩之茶屋1―12−21。この住所でピンときたら浪速モン。釜ヶ崎と言ったほうが分かりやすいだろう。今回の大阪居酒屋ディープな旅の宿はこの辺りでないと絶対ダメなのだ。
5分ほど南下すると西成警察署もあるし萩之茶屋南公園(通称三角公園)もある。何度も西成暴動=釜ヶ崎暴動が勃発した場所なのだ。
さすがにそこまで行かなかったがホテルの周りもかなりデンジャラス。道で寝ている人多数、ゴミ漁っている人もかなり。ま〜人のことは言えないが、朝から呑んでる人そうとう数。ヤバイ。でもスーパー楽しい!


2時間ほど休憩した。いや熟睡した。完全にバスでの寝不足は解消!いざ通天閣へ。

小学生の頃通天閣に来たことがあるが、こんなに派手だったっけ?串揚げ屋がやけに多い。呼び込みの兄ちゃん姉ちゃんも多い。串揚げの観光地となったんだね。目指す店はオノボリさん御用達のこんな派手な場所にある巨大店舗ではなく、通天閣から少し離れた、昔の浪速の面影残すジャンジャン横丁の「八重勝」。

その前に、今回の目的の一つでもある、日本&欧州&ピアノジャズ&発掘盤の聖地「澤野工房」を探すことに。10分ほど歩いて目星を付けた辺りにありました。閉店作業中で、外に並べていた下駄とかを店内に戻していた。店内でCDも売っています。なんか可笑しいけど、通天閣のお膝元らしい店だった。

澤野工房

並ぶのを覚悟していったけれど、先に並ぶ者無し。店内はほぼ満員だったが先客が帰ったので直ぐに入店できた。私たちの入店後に列ができたのでラッキーだったのだ!
ビールをたのんでから、先ずはどて焼きから。牛スジを甘めの味噌で焼いた(煮た)串。これは少し甘みが強くて私の好みではなかった。串揚げへ突入。100円、150円、200円、300円、一番高いのがエビ串で400円。チョッと周りの串揚げ屋より高目のような気がする。エビ、美味かったけどね。サワーを2杯飲んで一人2500円くらいだったと思う。私の隣の女二人組は中国からの観光客だった。海外にも名が轟いているのだ、八重勝は。串揚げって串に刺した素材を揚げるだけの簡単な料理。火力だとか揚げのタイミングだとか色々あるだろうが、結局は素材で決まる。果たしてこれが究極の串揚げなのだろうか?北千住の「天七」と比較してしまった。

宿へ帰る。荷物を全部おいて周りの怪しい店を探る。怖そうなおじさんがゾロゾロ飲んでいる。自分も怖そうなおじさんのくせに、ネ。軽く一周して宿の前の通りに帰ってきた。比較的明るい感じの店のドアを押す。「イラッシャイ」あきらかに韓国か中国の女性だ。そう言えば、この周辺では店で働くオバさん以外、一般女性を見かけない。女性は近づかない場所なんだろうか。
先客は二人。何時でも逃げ出せるように入口付近のテーブルに腰をおろす。やがて一人、また一人とヤバそうなオジさんが増えてくる。カラオケ大会が始まる。
「そこのニイちゃんも一曲どう?」って誘われたけれど、遠慮した。
枝豆とヤッコをたのんでチュウ杯を舐めるように飲んで、釜ヶ崎の夜を体験した。


八重勝




 


 

NO TRUNKS Home