国立 NOTRUNKS ミュージックダイニングバー国立 NOTRUNKS ミュージックダイニングバー

REVIEW ARCHIVE

REVIEWページは現在移行中です。「2018年 私のお気に入り or Best」はこちら
今までのレビューはこちらからどうぞ

2017年 私のお気に入り or Best

ミュージックマガジン誌の年間best。ジャズ部門は昨年までのbest5から今年はbest10へ。それだけ採り上げるべき作品が増えたのか。ジャズは活況を呈しているのか?

季節ごとに行っている「私の新譜を聴く」会の状況みると、さほどジャズが盛り上がっているとは思えないのだが。

ま、千差万別、自分の音楽、ジャズを楽しめばいいのだが。今年の「私の新譜を聴く」には若い人にも参加してもらいたい。貴重な音源が聴けるのだから。

Murakami  Hirose  Oza  Sakima  Takeda  Masakiyo  Kudo

Murakami

CDタイトル1 Anouar Brahem/Blue Maqams

チュニジア生まれのウード奏者が傑作をものにした。ECMに1990年代から既に10数枚のリーダー作を残しているアヌアル・ブラヒム。このジャンゴ・ベッツp、デイヴ・ホランドb、ジャック・デジョネットdsから成るカルテットでの録音は、ジャズとアラブの濃密な融合であり、プロデューサー、マンフレッド・アイヒャーの感性の勝利である。出会えて良かった。

CDタイトル2 Mary Halvorson/Paimon

昨年も彼女の作品を3枚の中に入れた。ジャズが新しいとか古いとか、もう殆んど関係無くて、私の風鈴に響くかどうかだけ。それでいくとメアリーは一番響く。ジョン・ゾーンの天使シリーズも13年経過しこの32作目が最終作のようだ。イスラエル音楽なのだろうか、中東~アジアのフレーズが心地よい。蛇足だがゾーンは昔、高円寺に住んでいて、お客としてDISK INN NO1にも来ていた。カセットテープとかもらったな。

CDタイトル3 Tigran Hamasyan/An Ancient Observer

30歳を迎えたティグラン。彼の音楽がジャズなのか民族音楽なのか私にはどうでもよい。アルメニアと云う馴染みのあまり無い国に生まれ、その母国の音楽、旋律を愛でて奏でる。
その風変わりな旋律が染みる。アルメニアとイスラエルの距離は地図で見るより近いかも。
硬軟の違いはあるが、メアリー=ゾーンの音楽に通じるものがある。

チュジニアとイスラエルとアルメニア。今回の3枚、もろ私の無国籍ボーダレス趣味がまる出しです。

番外 欅坂46 不協和音(TYPE-A)

遂に山口百恵の後継者が現れた!平手友梨奈。

Hirose

CDタイトル1 Fred Hersch Open Book

2017年GrammyAward、Jazz 2部門のノミネート作品。彼自身12回目のノミネートである。ソロ作品として11枚目。2016年10月、TRIOとしての北京、東京Cotton Clubの公演のあと、11月ソウルでのソロ公演、翌年3月でのソウルのソロ公演の録音。昨年9月はFredにとって新たな章を開く区切りの時であった、と思う。9月2日の自伝”Good Things Happen Slowly”の出版、8日新譜CD”Open Book”発売、15,16日Jazz Opera”Leaves of Grass”のJALCでの公演、と凄まじく耳目を浴びる瞬間であった。
  さて本CDである。まずは20分弱の長尺作品”Through the Forest”である。聞いた瞬間、Glenn Gould のSchoenbergを思い浮かべた。無調に突入か。Fred 曰く、”時差ボケで寝すぎてしまい、ピアノに座った瞬間流れにまかせてフレーズを作っていたら今まで行ったことのない世界に行ってしまった。”という。正にOpen Bookである。パートーナーScott Morganに捧げたThe Orb、Jobim のZingaro、彼曰く”ショパンの最後のノクターンの延長線上のイメージ”、トラッドなWhisper Not,モンクのEronelなど彼の音楽世界の広さに驚く。2月の来日公演が期待される。

CDタイトル2 The Muhal Richard Abrams Orc. Blu Blu Blu

  昨年10月に亡くなったMuhaの1990年NYでの録音。メンバーはAACMの強力ミュージシャンばかり、特に変態ギタリストのDavid Fiuczynskiが素晴らしい。ポストフリー、現代音楽、を飛び越えたムハの世界。
  若手ギタリストMary Halvorsonの師匠はAnthony Braxton、最近評価の高いドラマーのTyshawn Sorey(ピアノ、トロンボーンも巧い)も自身の音楽をAACMのradicalな黒人の創造的音楽の発展、を目指すという。今も現役のWadada Leo Smith,Henry Threadgillなど70-80代のツッパリちゃんじーの音楽に注目。
  表題曲、Blu,Blu.BluのドBlues,サイコー!

CDタイトル3 Dick Hyman Solo,at Sacramento Jazz Festivals,1983-1988

アメリカでは人間国宝的存在のピアニスト。90歳を超えるが先月のJALCでソロ公演、10月はBill CharlopとのDUO公演があった。
  本CDはサクラメントのジャズフェスで関係者がピアノの横に置いたソニーのウォークマンで録音したもの。音質にやや難があるが評論家Leonard Featherが”simply unbelievable playing”,本人が”my best”との評価。Down Beat 誌5星。
  クラシックジャズの名演をたまには聞いてみませんか?

Oza

CDタイトル1 ”希望の花” 中島さち子

(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64094022.html)
才女中島が、本田、米木と盤石な布陣を組んだ2枚組のトリオ作美麗にして力強いサウンドは、聴き惚れるしかありませんでした。凄い演奏。

CDタイトル2 ”More Powerfull” George Colligan

(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64259254.html)
Linda Oh、Rudy Roystonの強烈なリズムに促される熱い演奏に圧倒される。タイトル通り、パワフルな演奏が楽しめた作品。

CDタイトル3 ”Caipi” Kurt Rosenwinkel

(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64023568.html)
Kurt Rosenwinkelのブラジル色の濃い意欲作。
えらく格好良く、おしゃれで、聴きなじみの良いサウンドは、ボーカルも入り、ジャズに限らず音楽ファンなら好感を持って受け入れられるであろう好作品。春の来日メンバーも凄かった。

特別賞 ”めたもるシティ” けもの

(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64210007.html)
特別賞は、今年は非ジャズっぽいボーカルもの
日本ジャズのそうそうたる面々が演奏して、ポップでおしゃれで、少しひねりの効いた曲と演奏は、菊地らしい気持ちの良いサウンドが満載された、完成度の高いアルバム

Sakima

CDタイトル1 Gal Costa / Estratosferica (Ao Vivo)

前作(2015年)からの楽曲を軸に、初期代表曲から新曲まで全22曲
収録の2枚組ライヴ。若手4人からなるシンプルなバンドを従え熱唱する72歳のディーヴァ、ガル・コスタ健在です。

CDタイトル2 Los Bravos / Black Is Black

ビートルズの登場以来、世界各地からフォロアーが続出。スペイン
出身のロス・ブラヴォーズもその仲間。タイトル曲は英米のみならず
我が国でも大ヒット(1966年)。今時これが紙ジャケでリリースとは、
「オールディズ・レコード」に拍手喝采、ブラヴォー!

CDタイトル3 Gregg Allman / Southern Blood

兄デュエイン所縁のフェイム・スタジオで録音された遺作(享年69歳)。
ドン・ウォズのプロデュースが表題に偽りなしの音世界を演出。
旧友ジャクソン・ブラウンをゲストに迎えた⑩「ソング・フォー・アダム」
で締めるのが筋、ボーナス・トラックは不要かな…。

Takeda

best1 Gregg Allman Southern Blood

昨年5月に 癌で亡くなり遺作となってしまったグレッグ・オールマンのスタジオ録音作品。一曲目の「My Only True Friend」を除く他の曲はカバーで占められている。プロデューサーはドン・ウォズ。オールマン・ブラザーズ・バンドやグレッグの熱心なリスナーではなかったけれど、この作品はなかなか冷静な気持ちで聴くことができない心に沁みるアルバムである。

best2 Steve Winwood Greatest Hits Live

スペンサー・デイヴィス・グループからトラフィック、ブラインド・フェイスそしてソロ活動まで50年にわたる音楽活動を総括するライブ。タイトル通りの名曲満載、現役感バリバリの演奏で聴き応え充分。スティーヴの渋くそして張りのあるヴォーカルがいい。

あと2017年にリリースされ購入し愛聴したアルバムはLizz Wright 、Bob Dylanのブートレッグ・シリーズのダイジェスト2枚組盤、Carole Kingのライヴ・イン・ハイド・パークになります。

Masakiyo

廃盤復刻CD化の動きもStoryvilleやChiaroscuroにまで及び、その文化の終焉を昨年以上に感じさせた2017年。
その中で極私的に選んだ3枚です。1枚目はニュージーランドのピアニストの2004年に製作されたアルバムですが昨年入手したという事で。流れとしてはカナダのBrian Browneのようなピアノです。癒されます。2枚目は年末に出したPrisoner of Loveでも好調を持続している松本 茜さんのアルバム。リズム隊もドッシり安定。安心して聴いてられます。
3枚目は、全曲自作曲で埋めたCallingを出した青木カレンさんや、初のライブ盤を出したMAYAさん等、新しいチャレンジが続く女性ボーカル界で、流石と言う安定感を示した平賀マリカさんのアルバム。選曲が好きでした。

Kudo

ジャケ写真のみです。

CDタイトル1 トーマス藤原