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REVIEW

2018年 私のお気に入り or Best

2018年 私のお気に入り or Best

Murakami  Oza  Sakima  Sato  Takeda  Hirose  Masakiyo

Murakami

「Currents, Constellations」The Nels Cline 4

新しいことをやっているわけではないがほんの少し過激で尖鋭的なら、新しく感じられるそんなアルバム。ギター2台にウッドベースとドラムで、この圧倒的音圧。トム・レイニーのドラムいいです。https://www.youtube.com/watch?v=PK_gT1SSqEE

「The Maid with the Flaxen Hair: A Tribute to Johnny Smith」Mary Halvorson

メアリーは年間BEST3、私の常連。彼女を真ん中にネルズ、ビル、マーク・・尖がりギター奏者のアルバムから目が離せない。

「The Prodigal Son」Ry Cooder

ブルース~カントリー~ハワイ~沖縄~キューバ・・・「パリ・テキサス」を筆頭とする傑作映画音楽の数々。越境するスライド・ギター、映像に絡みつくスライド・ギター。ゴスペルやトラディショナルを多くカバーした6年ぶりの新作は目頭を熱くさせる。中でもウィリーとアルフレッドの二人のブラインドの「見知らぬ人に親切に」「全てを捨てて」を聞いてほしい。

番外「NOT BLUES」高柳昌行

アバンギャルド移行直前のトスターノ・スタイルの貴重な発掘音源。

Oza

2018年のBEST3
購入数は絞っているつもりですが、なかなか絞れるもんじゃありません。1日おきの更新のペースを守ってやってて、(たまに・・はあれど)しっかりそのペースを守れているだけの音楽を聴けました。
今年は、計算はしてないが、国内ミュージシャンのアルバムの方が購入数が多かったんじゃないかという気もする。それだけ、日本人ミュージシャンの演奏にワクワクさせられていたということです。
時期と楽器のバランスも少し考慮しようと思いながら選び出しましたが、結果的になかなかそうもならず、結果的に後半多めギター多めの3枚になりました。例年の通り順番をつけないで下記3枚と、特別賞を1枚挙げます。

「Standards: What Are You」Alexander Claffy

(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64686446.html)
皇帝Kurt Rosenwinkelがサイド参加なれど、スタンダードをガッツリと演奏している作品。これは、はずすわけにはいきませんでした。

Sakima

「森羅十二象」(disk UNION)岡林信康

友人の所で聴いた関西アングラ・フォーク「岡林信康/私を断罪せよ」から50年、ああ光陰矢の如し‼ 様々な分野のゲストを迎えてのセルフ・カヴァー集、中でも山下洋輔のピアノで唄う“山谷ブルース”が染み入った次第です。

「The Prophet Speaks」(EXILE)VAM MORRISON

暮れに立ち寄ったレコード店で流れていたホヤホヤの新譜。どうしても耳にとまる歌声である、天性の歌い手なのだろう。Blues, R&B, Jazz等の手慣れたカヴァーと新作6曲、ハモンドを軸に好サポートのバンドと相俟って全14曲を一気に聞かせる。

「Anthem Of The Peaceful Army」(Universal)GRETA VAN FLEET

三兄弟+1、四人共二十歳そこそこにも拘わらすクラシック・ロックの研究万全、上手い、今どきのハード・ロック・バンドのファースト。ハイトーンのヴォーカルがちょっとロバート・プラント似、来日も果たした孫たち世代にHRファンの爺の顔が緩みます。(ボートラ付き国内盤)。

Sato

「ICTUS」Honda Tamaya、ICTUS Trio

ドラムの本田珠也さん、ベースの須川崇志さん、ピアノの佐藤浩一さんのトリオアルバム。ピリピリしたインタープレイが、呼吸するようなテンポで繰り広げられます。音の余白を漂っているうち惹き込まれて、どっぷり音世界に漬かってしまうアルバムです。音も生々しく、3m先でライブが繰り広げられるようです。2018年早々発売ですが、個人的年間BEST1です。

「ULTIMATE DUETS」ARUTURO SANDUVAL

キューバ出身のトランペッター アルトゥーロ・サンドバルのDUETSアルバム。F1マシンのように吹き上がるトランペット。一声で分かる個性的な歌声のシンガー。一曲聴くたびに、美味しいコーヒーを飲んだような満ち足りた気分になります。ボヘミアン・ラブソディを見るまでは、通勤のお供的アルバムとなっていました。そして、2017年に亡くなったアル・ジャローの「After AlI」が心に染みます。

「IF YOU REALLY WANT」RAUL MIDON

盲目のソウルシンガー ラウル・ミドンが、オランダのメトロポール・オーケストラと共演のセルフカバーアルバム。ラウル・ミドンは、歯切れの良いギターを弾き、歌声は味薄めのスティービー・ワンダーのようです。ほとんどの曲は、指揮者のビンス・メンドーサがアレンジしていますが、8曲目は、挾間美帆さんがアンレジしています。2018年リリースですが、2014年6月~7月の録音で、挾間さんはこれを切っ掛けにして、2017年10月セロニアス・モンク生誕100周年記念コンサートで、メトロポールBIG BANDを指揮しました。このライブアルバム「THE MONK:LIVE AT BIMHUIS」もお薦めです。

Takeda

「In The Blue Light」Paul Simon

コンサート・ツアーからは引退を表明したポールのアルバムはセルフ・カヴァー集。セレクトされた10曲は所謂ヒット曲代表曲を外したもの。ビル・フリゼール、ウィントン・マルサリスなどのジャズ・ミュージシャンとニューヨークの弦楽6重奏団yMusicを起用し再構築した極めて完成度が高い作品になった。ベスト・トラックはyMusicとの「Rene and Georgette Magritte With Their Dog After the War」。単なるカヴァーものにならなかったのはさすが。

「The Prodigal Son」Ry Cooder

約6年ぶりのアルバム。3曲のオリジナルとブラインド・ウィリー・ジョンソン、ザ・スタンレイ・ブラザーズなどのアメリカン・ルーツ系のカヴァーからなる全11曲。全体のサウンド・プロダクションも良いがライのヴォーカルもすごく良い。待ったかいがあった。

「Here If You Listen」David Crosby

デヴィッド・クロスビーのソロアルバムというよりベッカ・スティーブンス、マイケル・リーグ、ミッシェル・ウィリスとの4人によるバンドの新作と捉えた方が良い。今作もジョニ・ミッチェルをカヴァーしているが、あとは4人の共作。とくにコーラスがばっちりきまっており素晴らしい。

Hirose

「LIVE IN EUROPE」FRED HERSCH TRIO

2019年GRAMMY AWARD、JAZZ2部門のノミネート作品。FRED14回目のノミネートである。2017年11月のヨーロッパツァー打ち上げ前のブリュッセルでのコンサートの実況盤。ホールは1930年代に作られた前国立放送用のアコースチックなものでキャパは7,800人の小ホール。FRED曰く、ホールの音響が素晴らしく、聴衆のグルーブ感も抜群であった、と語る。小生の一押しは5曲目BRISTOL FOG、亡くなった英国の名ピアニストJOHN TAYLORに捧げた作品。演奏内容はさらに充実し、現存するピアノトリオとして極めて完成度が高い傑作と考える。

「CONCENTRIC CIRCLES」KENNY BARRON QUINTET

2018年DOWN BEAT 誌5星を獲得した優秀作品。現在75歳、リーダー作として47枚目。TOMMY FLANAGAN亡きあと、真の王道を継承するピアニスト。本作はいつものトリオに成長著しい2管MIKE RODRIGUEZ(tp)、DAYNA STEPHENS(ts)が加わり、POST BOPの真髄を聞かせる。直近KENNYは歳故か昔ほどのバカテク振りは無くなったが1曲目のアートブレーキー的サウンドは熱く、2曲目の幻想的なワルツは心を打つ名曲である。若手ピアニストが彼のSEASCAPEなどカバーが多いがコンポーザーとしてのKENNYの評価も高い。

「NERVE DANCE」Michael Attias Quintet

すこしツッパリ系からの紹介である。昨年7月ベースのJOHN HEBERTからプレゼントされた2枚のうちの1枚。(もう1枚はMARY HALVORSON TRIOの「GHOST LOOP」)。1曲目の「DARK NET」。これは間違いなく名曲である。(になるであろう)。リズムがものすごく複雑で恐らく初見では吹けない作品。ちなみにベースのERIC REVISも「PARALLAX」というCDで「DARK NET」に挑戦しているがテンポははるかに遅く苦労している。彼のアルトは良く鳴りピアノのARUAN ORTIZも期待の新人で、彼らは今後とも注目すべきユニットであり、ぜひ生で聞きたいアルトである。

Masakiyo

SpotifyやAmazon Prime Music等で、過去の名盤はおろか、新譜まで勝手にDownroadできるようになってしまった2018年。CD時代は完璧に終焉を迎えました。

「OCEANATION」Oceana

2018年個人的に総括すると、アラフィフからアラカン世代の女性陣とラテン系ミュージシャンの活躍が目立った年でした。中でも、いまだオルケストラ・デラ・ルスの現役Vocalist Noraさん辺りが仕掛け人になって、1990年代、活躍した女性ラテンバンドのチカブーンのメンバー達と再結成したOceana。ライブでは年を感じさせないグルーブ感を発揮するバンドですが、再結成の挨拶代りのミニアルバム。元気をいただきました。

「BALLUCHON」小川理子

ストライドピアノの名手と言うより、それ以外の分野で有名になってしまった小川理子さん。思いつくだけでも2017年パナソニック重役就任以降、昨年は技術担当(兼)技術本部長、日本オーディオ協会会長に就任。極めつけは、11月パリで開かれた大阪万博招致での「サプライズ プレゼンテーター」としての活躍。大活躍の一年でしたが、レコードの方でも、年末に、いつものトリオ編成以外にも、Ts&fの浜崎航やbの中林薫平等、今までにはなかったメンバーでの演奏。新たな面を披露してくれました。録音も良いです。

「小さな願い」竹内まりや

竹内まりやさん、新作ミニCDの3曲目。「声だけ聞かせて」。もともとは松田聖子さんへの提供曲ですが、「駅」とか「告白」とか、あの系列に繋がる曲。この手を歌わせると、ホント無敵ですね!改めて、その感強くしました。作曲家としては、エリー・グリーニッチやキャロル・キングクラスでは・・・・・


CDカムバック賞 「BLUE’N BOOGIE」・「THE SHADOW OF YOUR SMILE」Scott Hamilton

ここ数年、若干停滞している感じがしていたHamilton。2018年は久々に調子が戻ってきた感じがしたのは私だけでしょうか?今年も好調を持続して欲しい所です。

「2017年 私のお気に入り or Best」はこちら
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